森 美樹(管理栄養士)
茨城県で生まれ、子供のころから母の手前味噌で育ちました。管理栄養士としては、病院・ 特養で栄養管理に従事。40 代になり、麹の美しさに惚れ込み、お味噌の魅力を知りました。 食事制限のある方もない方も、食卓を華やかに心豊かになっていただけるよう、発酵食品を 取り入れた食習慣のすばらしさを提案していきたいです。
味噌は、日本で古くから使われている発酵食品のひとつ。
大豆、穀物・麹菌(コウジカビ)・塩を原料として時間をかけてゆっくり愛情深く育てられています。熟成していくごとに、香り豊かに、濃厚な味わいとコクがうまれ、お味噌汁だけではなく、万能調味料として幅広い料理に活用することが出来ます。発酵熟成とともに時間をかけて作られている「味噌」は、
「時間」という天然調味料によって、より個性を引き立たせているのです。
一方、身体を「整える」ことは、健康的な生活を送るために欠かせない要素のひとつであり、
バランスの良い食事と運動によって、健康長寿を延ばすことが目的です。
この記事では、味噌を通じて身体を整えていくことに注目し、まとめています。
- 味噌の栄養価と期待されている効能
- 味噌汁は「発酵食」の基本です
- 味噌の取り入れ方
- まとめ
1.味噌の栄養価と期待されている効能
味噌は、大豆のたんぱく質やビタミンB1、B2、葉酸など、豊富な栄養素を含んでいます。
また、発酵食品であるため、腸内環境を整える効果や、免疫力を高める効果があります。
これらの栄養素や効果は、カラダをつくる際においても非常に重要な役割を果たします。
まず、味噌に含まれるたんぱく質は、筋肉を作るために必要な栄養素です。
減量するときは、適度な食事制限を行うことが多いため、筋肉量まで減少させてしまうリスクがあります。しかし、味噌に含まれるタンパク質を習慣的に摂取することで、筋肉量の維持を補ってくれます。
また、味噌に含まれるビタミンB1は、炭水化物の代謝を助ける栄養素です。
エネルギーとなる炭水化物の摂取はとても重要な栄養素ですが、摂り過ぎは体重の増加につながります。そのため、ビタミンB1を摂取することで、炭水化物の代謝を助け、体重増加を防ぐことができるのです。
さらに、味噌には水溶性の食物繊維が豊富に含まれています。
食物繊維は、腸内環境を整える効果があり、便秘予防や、血糖値上昇を抑える効果があります。また、満腹感も得られるため、食べ過ぎを防ぐことができます。
2.味噌汁は「発酵食」の基本です
味噌汁には、多くの食材を加えることが理想的とされています。
味噌汁を1杯飲むことによって、栄養のバランスを整えることが出来るからです。
味噌汁は、朝食や昼食に飲むことで、身体を温め、腸内環境を良好にさせることができます。
忙しい日々、お腹を満たすだけの簡単な食事で済ましてしまうとういう方は多いのではないでしょうか。そんな方には是非「味噌汁習慣」をおすすめします。
ただし、味噌汁には塩分が含まれています。過剰な塩分の摂取は、高血圧や腎臓疾患のリスクを高めるため、適度な摂取量に留意する必要があります。塩分制限のある方は、味噌汁を作る際、野菜や海藻といったカリウムの多い食材や、肉・魚・卵・大豆製品(たんぱく質)と合わせることをおすすめします。
3.味噌の取り入れ方
・モーニング味噌スープ:朝食にお味噌をだし汁で溶いただけの味噌スープ。習慣的に飲むことで、内臓が目覚め、身体が温まり、代謝促進。習慣化することで基礎体温を上げ、腸内環境を整えることができます。
・具沢山味噌汁:野菜や豆腐、魚など、多くの食材を煮込んだスープで味噌を溶いて作る方法。食材の旨味と味噌の旨味が合わさるとともに満足感が得られます。
・味噌鍋:多くの食材を味噌で煮込んだ鍋。香辛料やオイルを加えてオリジナルの味を楽しむ方法。家族や友人と共に楽しみながら、バランスの整った食事を囲むことで、心の健康にも良い効果が得られるという研究結果も出ています。
・塩の代用:味噌は熟成によって塩味の丸さやコク深さ、甘味が異なります。
赤く熟成した成熟味噌は、豚肩ロースやバラ肉といった脂によく合います。またオリーブオイルとニンニク等の油や香辛料との相性が素晴らしく良いのです。まだ熟成の若い状態の淡色味噌は魚料理や卵料理によく合います。塩味=「塩」ではなく、味噌を塩の代用として、お好みの調理法を見つけてみてください。
OMISONOMORI減塩ランキング
商品名 生産地 塩分濃度
米#4【甘ほっくり】 滋賀 3.40%
麦#6【麦キング】 宮崎 6.60%
麦#8【しお甘】岡山 7.60%
米#9 【まろひめ】佐賀 7.62%
はるひ【haruhi】 千葉 7.96%
麦#5【青春の味】高知 8.10%
米#3 【粒ビター】高知 8.60%
米麦#11 【6月販売開始予定】長野 8.60%
ちなみに私はたっぷりおろした生姜のスープと麦味噌の組み合わせにハマっています( *´艸`)
「減塩」「塩分控えめ」といった調味料が多く販売されていますが、だからと言ってたくさん食べてしまっては意味がありません。多くの食材とともに調味料は『適量』が大事です。
美味しいと感じる塩味の割合は、全体量の約1%と言われています。
質の良い調味料と、新鮮な食材を食べることでカラダが整い、健康寿命の延命に繋がります。
『ご自身に合った適度な運動』と、 日々の食生活に『発酵食品「味噌」』を取り入れ、心豊かな毎日が送れますように。