味噌は常温保存?冷蔵保存?正しい保存方法を解説

味噌は常温保存?冷蔵保存?正しい保存方法を解説

監修者

森 美樹(管理栄養士)

茨城県で生まれ、子供のころから母の手前味噌で育ちました。管理栄養士としては、病院・ 特養で栄養管理に従事。40 代になり、麹の美しさに惚れ込み、お味噌の魅力を知りました。食事制限のある方もない方も、食卓を華やかに心豊かになっていただけるよう、発酵食品を 取り入れた食習慣のすばらしさを提案していきたいです。

味噌の正しい扱い方

味噌は、我々日本人の食生活に欠かすことのできない、伝統的な調味料です。

味噌は種類も豊富で、それぞれ味わいも違うため、複数の種類の味噌を常備しているご家庭もあるのではないでしょうか。

そのような味噌ですが、開封後使い切るまでの保存方法に迷うことはありませんか?常温で保存してよいものか、それとも冷蔵庫で保存するべきなのか…。

せっかくの美味しい味噌を最後まで美味しく食べ切るために、味噌の正しい扱い方についてご紹介します。

味噌は正しく保存しないとだめになる?

スーパーなどでは、よく常温の棚に並べられて販売されているかと思います。

しかし、購入後、そのまま常温保存していると開封していないのに、味噌の色味が購入したときよりも、濃く変化していた…。

という経験はないでしょうか。

このように、味噌が濃い色に変化することを「褐変」と言います。

味噌は発酵食品であるため、未開封でも、少しずつ熟成が続いています。

「色が変化してしまう」ということは、味も同様に変化しているということになります。

つまり、味噌には美味しく頂くための保存に適した環境があるのです。

常温で保存する場合は、直射日光が当たる場所や高温多湿な場所は避け、可能であれば冷蔵庫や冷凍庫での保存がおすすめです。

味噌の賞味期限について

味噌は、長い発酵・熟成期間を経て出来上がる食品なので、基本的には保存に適した食品と言えますが、味噌の原料や塩分濃度によっても、賞味期限は異なります

たとえば、常温保存だと、甘味噌であれば3か月から半年ほど、甘味噌よりも塩分濃度が高い辛口味噌であれば3か月から1年ほどの賞味期限となります。

原料の配合や塩分濃度が違っても、大体、3か月から1年の賞味期限とお考え下さい。

また、前述のように常温よりも、低温で保存した方が品質が変化しにくいので、できれば冷蔵庫や冷凍庫で保存しましょう。

味噌を冷凍?と驚かれるかもしれませんが、通常の味噌の塩分濃度であれば凍ってしまうことはありません。

OMISONOMORIの味噌は減塩のため、冷凍保存すると多少固くなってしまう場合もありますが、室温で10分程度置けば、やわらかくなり使いやすい状態に戻ります。

開封前後で変わる味噌の正しい保存方法

一般的に調味料は開封前と開封後で保存方法が異なるといわれていますが、味噌もまた例外ではありません。

開封前の味噌の場合

開封前の味噌であれば、常温での保存が可能ですが、直射日光や温度・湿度に大きな変化がない場所での保管をおすすめしています。

床下収納やシンク下収納、玄関などを利用される方もいます。

床下収納などの場合は換気を時々行って、空気の入れ替えをしてください。

気候的に高温・多湿の状態が続く場合、たとえば、梅雨時期や夏場などは、できるだけ冷蔵庫で保存するようにしましょう。

発酵のスピードを抑えることにより、購入時の味噌の風味を保つことができます。

冷蔵庫の中でもチルド室は、大体0~2℃の設定となっています。

またドアのような仕切りがあるため、冷蔵庫の開け閉めによる温度変化の影響を受けにくいためおすすめです。

スペースに余裕があれば、是非、チルド室で保存してください。

すぐに使う予定がない場合には、冷凍庫で保存しましょう。

前述のように、味噌は冷凍庫で保存しても、心配するほど固くはなりません。

最近の味噌は、減塩のものや、だしが入ったものも増えてきており、昔より傷みやすい傾向にありますので、できるだけ低温で保存するよう心がけましょう。

開封後の味噌の場合

では、開封後の味噌はどのように保存すればよいのでしょうか。

開封後は、冷蔵庫または冷凍庫での保存が基本です。

常温で保存しても、通常の味噌であれば、すぐに傷んでしまうというわけではありませんが、風味が劣化しやすく、カビも生えやすくなります。

パックの味噌であれば、購入時に味噌にかぶせてある表面のシートを味噌の表面に密着させた状態にして、酸化・乾燥を防ぎましょう。

減塩味噌や、だし入りの味噌は凍ってしまうこともありますので、冷蔵保存の方がおすすめです。

冷蔵保存でも、冷凍保存でも、開封した場合には、風味が落ちないうちに、できるだけ早く使い切るようにしてください。

味噌を保存する際に抑えておきたい注意点

ここでは、できるだけ購入時の美味しさを保つために、抑えておきたい注意点を確認しておきましょう。

できるだけ空気に触れさせないようにする

味噌は空気に触れると酸化し、発酵が進むことで風味が落ちてしまいます

そのような風味が劣化してしまった味噌は、味噌炒めや味噌床に使うという手段もあります。

もしパックの味噌で購入時に被せてある表面のシートがなければ、ラップを味噌の表面に密着させることで同様の効果が望めます。

袋入りの味噌の場合には、袋の口をしっかりと閉じ、酸化を防ぐためにフリーザーバッグやホーロー、ガラス製の容器に入れて保管するのがおすすめです

冷凍の場合は、庫内で容器が割れてしまわないように、冷凍保存に対応している容器を選ぶようにしてください。

カビが生えてしまったら、その部分をすぐに取り除いて使う

もし保存していた味噌にカビが生えてしまったら、その部分を5mmほど取り除いてしまえば、問題なく使う事ができます。

また、味噌の表面に白いカビのようなものが生えることがありますが、これは産膜酵母と呼ばれる酵母菌の一種で、害はありませんが、味噌の風味を落としてしまう原因にもなります。

こちらもカビが生えたときと同様に取り除いてください。

 

調理器具は清潔、かつ乾いたものを使用する

雑菌や水分は、味噌にとって天敵です。

風味の劣化だけでなく、腐敗を招く原因にもなってしまいます。

味噌の表面に雑菌や水分を付けないように、使用する調理器具にも気を配りましょう。

まとめ

味噌は、そもそも保存に適した食品です。

しかし、風味を損なわず、美味しく食べ切るためには、正しい保存方法が大切です。

正しい保存方法といっても、特別なことは何一つありません。

日常のちょっとした心がけで味噌の保存状態を高めることができます。

冷蔵・冷凍技術がない時代から愛されてきた味噌ですから、もちろん、常温保存も可能ですが、風味を落とさないようにするためには、できるだけ低温で保存することがポイントです。

また、酸化や劣化を防ぐために、できるだけ空気に触れさせないことや、水分や雑菌が付かないようにすることも大切です。

上手に味噌を保存し、その味噌本来の美味しさを最後まで味わい尽くしましょう。

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