麹とは?味噌との関係から種類・選び方まで徹底解説!
「麹」という言葉、聞いたことはあっても、それが一体どんなものか、どうやって作られているかまで説明できる人は少ないかもしれません。
実は、この麹がなければ、日本の食卓に欠かせない味噌や醤油、日本酒などは生まれません。
この記事では、日本の発酵食品の要である「麹」の正体から、味噌との深い関係、そして米麹・麦麹・豆麹から作られる個性豊かな味噌の特徴まで、わかりやすく解説します。
この記事を読めば、きっとあなたにぴったりの味噌が見つかるはずです!
麹の正体は「菌」だった!日本に欠かせない麹菌とは
麹とは、米・麦・大豆といった穀物に「麹菌(こうじきん)」という微生物を繁殖させたものです。
この麹菌は「麹カビ」という別名があるように、カビ菌の一種に分類されます。
「カビ」と聞くと、食べ物を腐らせたり、アレルギーの原因になったりするイメージを持つかもしれません。
しかし、チーズや貴腐ワインのように、人間にとって良い働きをするカビも存在します。
麹菌もその一つで、古くから日本の食文化を支えてきました。
麹が味噌をおいしくする理由
麹が持つ一番の秘密は、「酵素」です。
麹菌は、繁殖する過程で「プロテアーゼ」や「アミラーゼ」といったさまざまな酵素を作り出します。
これらの酵素は、味噌の原料となる大豆のタンパク質や米のでんぷんを分解する働きをします。
- プロテアーゼ:タンパク質を分解してうま味成分(アミノ酸)を作り出す
- アミラーゼ:でんぷんを分解して甘味成分(ブドウ糖)を作り出す
この酵素の働きによる分解反応こそが「発酵」であり、これが豊かなうま味と甘味を持つおいしい味噌を生み出すのです。
麹の種類が味噌の個性を決める
味噌の味わいは、どの穀物に麹菌を繁殖させたか、つまり麹の種類によって大きく変わります。
ここでは、代表的な3つの麹と、それらから作られる味噌の特徴を紹介します。
1. 米麹から作られる【米味噌】
日本の味噌の中で最も一般的で、流通量も多いのが米味噌です。
蒸した米に麹菌をつけた米麹と、大豆、塩を原料とします。
米のでんぷん由来の、まろやかな甘みが特徴です。
- 白味噌(甘口):米麹の割合が多く、熟成期間が短いのが特徴。GABAが豊富でリラックス効果が期待できます。京都の西京味噌が有名です。
- 赤味噌(辛口):大豆の割合が多く、長期熟成することで色が濃くなります。抗酸化作用のあるメラノイジンが豊富で、老化防止や整腸作用が期待できます。長野の信州味噌や宮城の仙台味噌が代表的です。
2. 麦麹から作られる【麦味噌】
大豆、塩、そして麦に麹菌をつけた麦麹を原料とします。
九州や四国地方でよく作られており、麦由来の香ばしい風味とやさしい甘みが魅力です。
麦に含まれる食物繊維「βグルカン」が豊富で、免疫力向上や血糖値の上昇を緩やかにする効果が期待できます。
3. 豆麹から作られる【豆味噌】
大豆に麹菌をつけた豆麹と塩のみを原料とします。
米や麦を使わないため、濃厚なコクと渋み、独特のうま味があり、甘みは控えめです。
東海地方の八丁味噌が有名で、煮込み料理や味噌カツなどによく使われます。
「麹味噌」と「普通の味噌」の違いとは?
スーパーで「麹味噌」という表記を見かけることがありますが、実はすべての味噌には麹が使われています。
では、「麹味噌」とそうでない味噌は何が違うのでしょうか?
「麹味噌」という名前は、法律で定められた明確な定義があるわけではありません。
しかし、一般的には以下のような違いがあると考えられています。
- こだわりの製法:麹作りは手間暇がかかる繊細な作業です。「麹味噌」と名乗る商品は、作り手が麹にこだわり、丁寧に時間をかけて作られた、伝統的な製法に近いものが多いです。
- 個性豊かな味わい:手作りされた麹味噌は、一つひとつに個性があり、色や香り、味わいが異なります。一方、大量生産される味噌は、安定した品質と味を保つことを目的としているため、個性が控えめです。
- 麹の割合:麹の割合が多く、うま味や甘みがしっかりと感じられる味噌に「麹味噌」の名前がつけられることもあります。
いろいろな味噌を食べ比べてみたいなら、ぜひ「麹味噌」と書かれた商品から試してみることをおすすめします。
OMISONOMORIおすすめ!麹味噌の種類別の使い方
ここでは、当サイト「OMISONOMORI」が特におすすめする、麹の種類別の使い方とレシピをご紹介します。
お味噌汁だけでなく、日々の料理に味噌を活かしてみましょう。
甘みそレシピ 関西風お雑煮(1人分)
材料
- 人参 1/4本
- 大根 50g
- 丸餅 1個
- 水 150ml
- 米#4 大さじ3
- 昆布 5cm
作り方
- 水150ml、昆布1枚(5㎝)で出汁をとります。
- 大根3㎝、人参2㎝をイチョウ切りに切って下茹でし、丸もち1個は程よく焼いておきます。
- 出汁が取れたら、米#4を溶きいれ、味を見ます。
- 下茹でした野菜を入れます。※沸騰させないように注意!
- 温まったらお椀に盛り付けて完成です。
江戸甘みそレシピ 土手鍋(2人分)
材料
- 牡蠣 200g
- 長ネギ 1/2本
- 白菜 200g
- 春菊 1/2袋
- ゴボウ 2枚
- しいたけ 1パック
- 木綿豆腐 1/4丁
- しらたき 1/2~1袋
- 江戸甘みそ 大さじ8
- ★米#1.#2.#3 大さじ2
- 〇カツオ昆布だし 800ml
- 〇みりん大さじ1
- 〇酒 大さじ1
- 〇生姜汁 小さじ1
作り方
- 牡蠣をきれいに洗い水気を切っておきます。
- 野菜は食べやすい大きさに切り、江戸甘みそと★のお好みのナンバーズを混ぜておきます。
- 〇を合わせて鍋に入れて火をかけ、沸騰したら江戸甘みその半分量を煮溶かします。
- 残りのお味噌は鍋の縁周りに塗りつけて、味噌の土手を作り、バーナーまたはオーブンレンジでお味噌の表面を固めるように焼き目を付けます。
- 味噌土手より1cmほど下までだしを入れて、具材を入れて火にかけます。
- 周りの土手みそを溶かしながら煮立てて完成です。残っただしは、注ぎ足しに使用しましょう。
豚味噌※作り置きOK
材料
- 豚肉薄切り(バラ肉)200g
- すりおろし生姜 30g
- 麦#5.6.7.8(お好みの麦みそ) 大さじ10(お肉と同量)
- はちみつ 大さじ3
- 黒糖(または、ざらめ) 小さじ1
- みりん・酒 大さじ3
作り方
- 豚肉を細かく刻み、生姜と一緒に炒めます。
- 豚肉から油が出てきたら、麦みそ、はちみつ、酒、ざらめ、みりんを加えてじっくり炒めます。
- 全体がペースト状になったら完成です。
- ※お好みで、にんにくやかつおぶし、コチュジャン、鷹の爪などアレンジもおすすめです。
豆みそレシピ 赤だし(2人分)
材料
- 豆腐1/2丁
- なめこ 30g
- 刻みみつば 2本
- だし汁 300ml
- 豆味噌(八丁味噌) 大さじ2.5
- 粉山椒 少々
作り方
- なめこを水で洗い水気を切っておきます。
- 豆腐は好みの大きさに切ります。
- 鍋に一番だし汁を入れ、中火で煮立ったら、味噌を溶きます。
- なめこと豆腐を入れて、温まったらお椀に盛り付けます。
- 三つ葉をのせて、粉山椒を振りかけて完成です。
まとめ
麹とは、米や麦などの穀物に麹菌を繁殖させた、日本の発酵食品に欠かせない存在です。
麹菌が作り出す酵素の働きによって、味噌はうま味と甘みを持ち、私たちの食生活を豊かにしてくれています。
米麹、麦麹、豆麹、それぞれの麹から作られる味噌には個性があり、味わいも効能もさまざまです。
いつもの食卓に、違う種類の味噌を取り入れてみませんか?
きっと新たな発見があるはずです!!
Instagram : https://www.instagram.com/omisonomori/reels/