子ども 食育 味覚 発達

子どもの味覚と食育  成長に合わせた美味しい未来を築く

小児アレルギー罹患者数

監修者

森 美樹(管理栄養士)

茨城県で生まれ、子供のころから母の手前味噌で育ちました。管理栄養士としては、病院・ 特養で栄養管理に従事。40 代になり、麹の美しさに惚れ込み、お味噌の魅力を知りました。食事制限のある方もない方も、食卓を華やかに心豊かになっていただけるよう、発酵食品を 取り入れた食習慣のすばらしさを提案していきたいです。

はじめに

子どもの味覚は、その成長とともに様々な変化を遂げます。この記事では、子どもの味覚、食育に焦点を当て、どのようにして子どもたちに美味しい食事を提供し、健康な食習慣を築くかについて詳しく見ていきましょう。 

子どもの味覚の発達

子どもの味覚は、乳幼児期から青年期にかけて大きく変化します。乳幼児期は特に味蕾の数が多く、甘味や塩味に対する感受性が高まります。これは成長に必要なエネルギー源を見つける生存本能と関連しているとされています。 

味覚センサーの重要性

味覚センサーは、舌の味蕾(みらい)を通じて異なる味を感知します。子どもの味蕾の数は高齢者の3倍と言われており、味に対して鋭敏に反応します。
苦味は毒、酸味は腐ったものの味として、本能的に避けたくなる味となります。反対にエネルギーやたんぱく質を多く含む食べ物に多い甘味や塩味、旨味は、本能的に好ましい味であり、子どもにとっておいしいと感じられる味になります。
そのため子どもに好き嫌いがあるのはごく自然なことなのです。

食育の役割

食事を通じて「心と身体の健康を維持できること」、「食事の重要性や楽しさを理解すること」、「食べ物を自分で選択し、食事づくりができること」、「家族や仲間と一緒に食べる楽しみを味わうこと」、「食べ物の生産過程を知り、感謝する気持ちを持つこと」などが含まれます。<政府広報オンライン”「食べる力」=「生きる力」を育む食育 実践の環(わ)を広げよう”より抜粋>

このように『食べる』という誰もが行う行為に様々な側面や意味があり、それを育てていくことが食育とされています。
食育

食育と味覚の育成

子どもの味覚育成における課題と解決策

子どもの味覚を育てる際には、いくつかの課題に直面することがあります。
それに対する解決策として、以下のポイントが挙げられます。

1. 新しい食材への抵抗

子供が新しい食材に抵抗する場合、食事を楽しい体験に変える工夫や、一緒に調理することで好奇心を刺激できます。

2. 大人との味覚差

大人の味の感じ方より子どもは敏感です。そのため、子供が感じる味に合わせた調理や工夫が必要です。素材の味をしっかりと感じられる子どもだからこそ、減塩・うす味を心がけた調理が望ましいとされています。

3. 香りと味の関連性

子供の味覚は嗅覚とも密接な関係があります。良い香りが食事に与える影響は大きいため、食事の際には香りにも注意を払いましょう。

まとめ

子どもの味覚はその成長に合わせて変化し、食育や適切な食材の取り入れが重要です。乳幼児期の味蕾の数の多さを活かし、大人との味覚の違いにも気を配ることで、子どもたちは健康的でバランスの取れた食事を摂ることができます。親が子どもと共に食事を楽しむことで、子どもは食べることの喜びを知り、美味しい未来を築くことができるでしょう。
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