森 美樹(管理栄養士)
茨城県で生まれ、子供のころから母の手前味噌で育ちました。管理栄養士としては、病院・ 特養で栄養管理に従事。40 代になり、麹の美しさに惚れ込み、お味噌の魅力を知りました。 食事制限のある方もない方も、食卓を華やかに心豊かになっていただけるよう、発酵食品を 取り入れた食習慣のすばらしさを提案していきたいです。
減塩味噌とお米の素晴らしさを堪能する
お米を想像して出てくる、代表的なものはなんでしょうか。
私は、『おにぎり』を想像します。
手軽に食べられるだけでなく、様々な具材や調味料を組み合わせることで、栄養バランスが整い、さまざまな味を楽しむことが出来る日本人のソウルフード。
今回はそんな、日本料理の代表的な「みそ」と「お米」についてです。
巷では『おにぎらず』 『ライスサンド』といった新たなお米を使ったレシピがたくさん紹介されていますね。そういえば、おにぎり・おむすび…
皆さんはなんと呼んでいますか?
私が以前勉強していた「やまと薬膳」では、
『おにぎりは素手で握るもの』と、おむすびとの違いを学びました。
地方により呼び方の違いもあるようですが、
広辞苑では、
おにぎり【御握り】/にぎりめし。おむすび。
おむすび【御結び】/握飯(にぎりめし)のこと。
にぎりめし【握り飯】/握り固めた飯。むすび。おにぎり。
特に大きな違いはなさそうです。笑
これまでパン食が多かった日本の食生活も
小麦の価格が高騰し、米食にシフトしている傾向にあります。
また、健康志向が高まり、米×具沢山×減塩という意識も広がっています。
そこで今回は、
「減塩味噌」と「おにぎり」に焦点を当てて、その魅力をご紹介したいと思います。
減塩味噌のすばらしさ
減塩味噌は、一般的な味噌よりも塩分を抑えたお味噌のことです。麹にこだわり、味噌蔵でゆっくりじっくり発酵熟成させた減塩味噌は、塩分が控えめな分、大豆や麹の旨味・コク・香りをより味わうことができます。
また、厳選された減塩味噌は、保存食として造られている昔ながらの「味噌」と比較し、塩分含有量以外、栄養価・美味しさ、ともに変わりはありません。
味噌に期待出来るメリットとして、
①美肌・美白効果
・主成分は、お肌のもととなる良質な植物性たんぱく質
・美肌のサポート役のビタミン類が豊富
・大豆が発酵していく過程で生まれる遊離リノール酸によってメラニン合成を抑制
・腸内環境を整え、善玉菌が過ごしやすい環境をつくることで美肌を生成
②アンチエイジング効果
・大豆サポニン、熟成が進むことに増えていくメラノイジンには、細胞の酸化を防ぐ効果
があります。また、大豆には女性ホルモンの働きを活性するイソフラボンも豊富。
③減塩効果
・味噌を塩の代用調味料として使用可能!
通常の味噌を代用品しても、塩と比較し約30%の減塩効果があるという研究結果もあるようです!
減塩味噌は私たちの身体に優しく、高血圧や塩分摂取量の気になる方に最もおすすめしたい食材です。
おにぎりの魅力
おにぎりは、日本人にとってなじみ深いソウルフードであり、その手軽さと美味しさが人気です。ごはんを握って具材を包み込むことで、食べやすく持ち運びも便利!
具材には、梅干しや漬物、鮭やツナマヨ、そぼろなど多様なバリエーションがあり、自分好みのおにぎりを作ることができます。
おにぎりは具材によって栄養バランスが整い、食事として重宝されています。
おにぎりの主成分である「炭水化物」とは、「糖質」「食物繊維」を指します。
糖質は私たちの身体を動かすエネルギー!
パワーチャージに最適な食材の塊、それがおにぎりです!
そして、なんといっても「地産地消!」
地域経済が潤うことで、その地域に住んでいる人全体にもメリットが生まれます。
お米の自給率はほぼ100%!
日本の食料自給率に占める割合も大きく、
日本人にとって「お米」は食料安全保障の要!!
地理的特徴を活かして生産されるお米は、日本の食文化を育むとともに、
水田の美しい景観や伝統文化を生み出してきました。
※農林水産省では、お米の消費拡大情報サイト「やっぱりごはんでしょ!」を開設し、お米・ごはんの栄養・健康面の良さに関する情報や、ごはん・米粉を使ったレシピなど幅広いコンテンツを発信しています。
(参考資料/抜粋:https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/zikyu_ritu/ohanasi01/01-03.html)
出来るだけ自分の国でつくられたものを食べるように心がけ、日本各地の食材を四季折々楽しみたい。その心がけは、私たちの暮らしを守ることに繋がっているんです。
食事を考えるとき、「お米」を中心に、出来るだけ多くの食材を組み合わせることで、
栄養バランスが整うだけでなく、食料自給率の向上にも繋がっていくのです。
【整った栄養バランス】
お米(炭水化物)
+たんぱく質:肉・魚・卵・大豆製品
+脂質:オリーブオイル・ごま油・バター等
+ビタミン
+ミネラル
※不足しがちなビタミン・ミネラルを満たすための工夫
*白米→玄米・雑穀米に代える
*種実類や海藻(海苔など)を加える。
*質の良い調味料で味付けをする(味噌・しょうゆ・塩等)
まとめ
食べているもので私たちの身体はつくられています。
日々の食事が自分の身体にどう影響しているのか…今一度見直し、「満腹」にするだけの食事ではなく、私たち一人ひとりの身体に合った食事で、心と身体を満たし、その積み重ねが習慣化していくことでウェルネスの実現に繋がればと願っています。