OMISONOMORI創業エピソード

OMISONOMORI創業エピソード

監修者

森 美樹(管理栄養士)

茨城県で生まれ、子供のころから母の手前味噌で育ちました。管理栄養士としては、病院・ 特養で栄養管理に従事。40 代になり、麹の美しさに惚れ込み、お味噌の魅力を知りました。 食事制限のある方もない方も、食卓を華やかに心豊かになっていただけるよう、発酵食品を 取り入れた食習慣のすばらしさを提案していきたいです。

祖母と麦みその美味しい思い出

馴染みのあるお味噌は何みそですか?

この質問にすぐ答えられる方は多くないように思います。

お味噌には、米みそ・麦みそ・豆みそ・調合みそ、大きく分けて 4 つに分類することができます。

私は数年前までお味噌の種類についてよく知りませんでした。

子供のころから食べている母のお味噌は、いつの日からか、心の栄養であり、母の握った大きな「みそおにぎり」は絶品で大好物です。

そのお味噌が「米みそ」だったことをまさか大人になってから知ることになるとは…母には恥ずかしくて言えません。

OMISONOMORI創業

今回は OMISONOMORI、創業のきっかけとなったエピソードをご紹介します。

自家製の味噌の危機

弊社代表の柳田が義理の祖母を九州に尋ねたときのこと、食卓に自家製の味噌で作ったみそ汁が出てきました。

麦の粒感がしっかり残ったみそ汁で、初夏の日差しの中を歩いてきた体に染みわたる美味しさだったそうです。

この地域では昔から家庭で味噌を作っていたのですが、高齢化で手間のかかる味噌作りを行う家庭も減り、今では祖母が作った味噌を知り合いに配っているということでした。

しかし、最後の作り手がいなくなれば、もう、この地域特有の麦味噌は消えてしまいます。

豊かな自然環境に育まれ、地産地消されてきた地元の味。

「独自の文化」とも言える伝統が、後継者不在でひっそりと消えていくという現状に、柳田は危機感を抱いたと言います。

伝統の希少性

菌の力を操り、美味しい熟成を生み出す発酵という技術は、世界中の食文化に見られる人間の知恵です。

だからこそ、その地域環境が大切だと思います。

「美味しい」

みそ汁が胃に流れ込んでいく時に、素直にそう感じた祖母の麦みそから、日本各地に根付く文化的な味覚、そしてその伝統の希少性について考え始めました。

心も身体もほっとする食事、発酵食品である味噌、その中に古くて新しい価値観を見出し、世界に向けて発信していくことで味噌がもっと売れるようになってほしい。

それによって、伝統を受け継ぎ、進化させていく若い世代が地域に流入するきっかけにしていきたい。

これが OMISONOMORI の創業エピソードです。

味噌の伝統と技術

作り手の思い

味噌蔵で大事に育てられているお味噌たちには、蔵ごとに個性があり、その年ごとに異なる熟成の速度、微生物たちの働きによって香りや酸味、旨みが変わっていきます。

同じ材料でも一つとして同じお味噌は作れないと日本各地の味噌職人さんたちは言います。

私は、食べた時に思いの伝わる食材や調味料には、作り手の思いがたっぷり込められていると考えています。

また、味噌の要である「麹」作りは、非常に難しい作業だと、私が尊敬する麹屋さんから教えていただきました。

蒸したお米や麦をある一定の温度まで冷ましてから、種麹菌を満遍なく振りかけ、均一に種麹をすりこんだら、保温して麹菌を繁殖させます。

保温状態には一定の条件維持が必要なことと、麹の育つ状態を常に確認しながら進めるため、一旦仕込むと寝ずの番で上質の麹に仕上げていくのです。

食を豊かにするお味噌

生きている菌と向き合い、一つ一つ手間のかかる工程を経ることでようやく出来上がるお味噌。

今まで知る機会がありませんでしたが、これらを知ること自体が、まるで調味料のように食事を美味しくさせてくれる、と感じるのは私だけでしょうか。

今年も九州のおばあ様の作った麦みそは、順調に熟成中だそうです。

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