『みそが美味しい』を科学する

『みそが美味しい』を科学する

監修者

OMISONOMORI

2022年より活動を開始した、減塩みそのみを取り扱う専門ショップです。 年々減り続ける天然醸造・無添加を貫く、日本全国の小さなみそ蔵さんを全力で応援しています!

はじめに

みそが美味しいと感じるのは、主に日本人の文化や味覚に根ざしていますが、それだけに留まりません。みその美味しさは、さまざまな要素が絡み合ってできています。
日本料理においては、みそが基本的な調味料として幅広く使用され、料理に深みや旨味を与えています。この独自の調味料が、日本の味覚に合った特有の風味を生み出しています。
今回はみその美味しさの理由について深掘りしていきます。

みその原材料

みその基本的な材料はいくつかの主要な成分から成り立っています。以下は一般的なみその材料です。

1. 大豆

 みその主成分の一つであり、大豆が発酵することで特有の風味が生まれます。大豆にはたんぱく質や栄養素が豊富に含まれています。

2. 塩

塩はみその風味を引き立て、発酵プロセスにおいても重要な役割を果たします。塩はみその保存にも寄与します。

3.穀物(麹)

米や麦などの穀物が使われ、大豆との組み合わせによってみその風味や味わいが形成されます。穀物の種類によってみその種類も異なります。
これらの基本的な材料が、みそを作る過程で発酵し、複雑な風味や旨味が生まれます。みその種類や地域によって使用される具体的な材料の種類や割合は異なりますが、大豆、塩、穀物がみそのベースを形成しています。

みそに含まれる『旨味』

みそに含まれる旨味は、その特有な成分から生まれています。以下はみそに含まれる旨味を形成する主な成分です。

アミノ酸

みそは発酵食品であり、この過程で大豆からアミノ酸が生成されます。
特に、旨み成分として有名なのが、グルタミン酸です。グルタミン酸はみそ以外にも醤油やトマト、チーズに多く含まれています。

その他の旨味成分として、アスパラギン酸などのアミノ酸が豊富に含まれていることで旨味の基礎を築きます。

風味成分

みその風味は、発酵によって生成された芳香族化合物やアルコール、有機酸などに由来しています。

  • 芳香族化合物(ほうこうぞくかごうぶつ)
    特有の芳香(香り)を持つ化学物質の総称です。これらの化合物は、分子内に芳香環を持ち、通常は強い香りや風味を示します。芳香族化合物は、有機化学の分野で重要な役割を果たしており、天然に存在するものから合成されたものまで、多数あり、芳香族化合物がみその風味に寄与しています。
  • 有機酸
    みそには、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、蟻酸、酢酸、ピログルタミン酸などの有機酸が含まれています。有機酸はみその酸味成分の主体であり、味や香りに重要な影響を与えます。主な有機酸は下記2種です。
    1. 乳酸: これは、糖分が乳酸菌によって発酵されることで生成されます。乳酸はさわやかな酸味をもたらし、食材を保存する働きもあります。

    2. 酢酸: 酢酸はアルコールの酸化によって発生します。酢酸はみその風味に深みを与え、キリッとした酸味をもたらします。

これらの成分が複雑に絡み合い、みその独特な香りや味わいを生み出します。

まとめ

みそが美味しい理由は、日本人の文化や味覚だけでなく、独自の調味料や発酵プロセスに起因しています。

大豆、塩、穀物などの基本材料が絶妙に組み合わさり、発酵過程で複雑な風味や旨味が形成されます。
アミノ酸、特にグルタミン酸やアスパラギン酸が豊富に含まれ、これらの成分が旨味の基礎を築きます。

さらに、発酵により生成される芳香族化合物が独特な香りや風味を提供します。これらの要素が調和して、みその深みと独自の味わいが生まれています。身近な食材のおみそが美味しい理由には奥深い一面と魅力に溢れています。
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