味噌で免疫力アップ?わかりやすく解説します!

味噌で免疫力アップ?わかりやすく解説します!

監修者

森 美樹(管理栄養士)

茨城県で生まれ、子供のころから母の手前味噌で育ちました。管理栄養士としては、病院・ 特養で栄養管理に従事。40 代になり、麹の美しさに惚れ込み、お味噌の魅力を知りました。 食事制限のある方もない方も、食卓を華やかに心豊かになっていただけるよう、発酵食品を 取り入れた食習慣のすばらしさを提案していきたいです。

味噌汁が免疫アップに良い理由

近年、味噌と言えば、美味しいだけではなく、健康にも良い影響を与える食品として、注目を集めています。

味噌の健康効果については、がん予防やコレステロール値の抑制など、さまざまなものが挙げられますが、中でも注目すべきは、味噌が免疫力アップにも非常に効果があるという点です。

「免疫力」とは、病原菌やウイルスから体を守ってくれる、体にとっての「盾」。

病気にかからないように、また、かかったとしても悪化させないようにするために、なくてはならないものです。

では、免疫力をアップさせるには、どうすればよいのでしょうか。

実は、免疫力をアップさせるために、一番取り組みやすいのは、腸内環境を整えることです。

味噌には、もともと腸内環境に良いとされる成分がたくさん含まれていますが、味噌汁にすることで、腸に良いとされる食材も合わせて体に摂取できます。

免疫力を高めるために、味噌汁は、味噌の食べ方として理想的な方法だと言えます。

免疫力アップの栄養素

まず注目したいのは、味噌の栄養素です。

味噌は「栄養の宝庫」とも言われるほど、栄養価の高い食品ですが、ここでは特に、免疫力アップに効果がある栄養素についてご紹介します。

タンパク質

免疫力アップのためには、タンパク質は欠かせない栄養素です。

免疫細胞の主成分がタンパク質だからです。

味噌の原料である大豆には、大豆タンパク質が非常に多く含まれているので、味噌を摂取することで、免疫力だけでなく、体力をアップさせる効果も期待できます。

イソフラボン

イソフラボンは、女性ホルモンの一つ、エストロゲンと非常に似た役割を果たすことが知られています。

エストロゲンには、免疫力を調整する効果があるのですが、イソフラボンも同様です。

味噌に多く含まれるイソフラボンも免疫力には大変重要な役割を担っています。

カルシウム

骨や歯を作る成分として知られているカルシウムですが、カルシウムもまた免疫力アップには欠かせない栄養素です。

味噌には、このカルシウムも多く含まれています。

カルシウムが不足すると、骨が溶かされ、カルシウムが血中に取り込まれるのですが、その際、免疫細胞内にもカルシウムが取り込まれます。

細胞の中にカルシウムが取り込まれ過ぎると、免疫力が低下してしまうため、味噌のようにカルシウムを多く含む食材を摂取することが大切です。

食物繊維

食物繊維も免疫力をアップさせるためには欠かせません。

食物繊維には、悪玉菌や有害物質を減少させ、 腸内環境を良好にするという効果があります。

腸内環境の整備は免疫力アップにつながります。

味噌には食物繊維も多く含まれていますので、積極的な摂取を心がけましょう。

味噌と腸内環境

免疫力アップには腸内環境の整備が欠かせません。

味噌には、腸内環境を整えるために欠かせない食物繊維がたくさん含まれていますが、他にも注目すべきポイントがあります。

発酵食品が腸内環境を整える

発酵食品を摂取することによって、腸内の善玉菌の活動を活発化させる効果が期待できます。

善玉菌は、腸内の環境を酸性に保つことで、悪玉菌の活動を抑制し、腸内環境を整えます。

言うまでもなく、味噌も発酵食品の一つですが、味噌がすぐれた発酵食品であることの理由として、乳酸菌・酵母菌・麹菌という3種類の善玉菌を含んでいるという点が挙げられます。

腸内環境を整えるには味噌汁がベスト

腸内環境を良好に整えるために、味噌の効果を最大限引き出すには、やはり味噌汁がおすすめです。

腸内によりよく作用する食材を味噌汁の具材に選ぶことにより、味噌の持つもともとの腸活効果をより高めることができます。

味噌と一緒に摂るべき具材とは?

では、味噌汁と相性のいい、免疫力アップに効果がある具材には、どのようなものがあるでしょうか。

豆腐

まずおすすめしたいのが、豆腐です。

豆腐と言えば、味噌汁にとって、「定番中の定番」の具材ですが、実は豆腐を具材にするのは健康面からも理にかなっています。

豆腐はタンパク質、大豆サポニン・大豆イソフラボンを多く含んでおり、それだけでも免疫力アップに効果的ですが、腸内の善玉菌を増やす働きをするオリゴ糖が含まれているので、腸内環境を整えるのにも効果があります。

ねぎ

ねぎも豆腐と並んで、味噌汁には欠かすことのできない具材です。

ねぎには、抗酸化作用のあるカロテン、抗菌・抗ウイルス作用のあるネギオールが多く含まれています。

また、ネギを食べると血行が良くなり、免疫細胞が活性化させられるという利点もあります。

 

きのこ類

きのこは、ビタミンB群を多く含む食材です。

ビタミンB群の中でも特にビタミンB1には、皮膚や粘膜を守る働きがあり、ウイルスなどの侵入を防ぐのに非常に大きな効果を発揮します。

もちろん、食物繊維も豊富なので、きのこは腸活にはぴったりの具材と言えます。

海藻類

わかめに代表されるような海藻類も、味噌汁には定番の具材です。

海藻は低カロリー・低脂質の上、食物繊維やミネラルが豊富で、腸内環境を整えるのには非常に適した具材です。

海藻類は乾燥で売られているものも多く、長期間保存できるので、味噌汁の具材として常備しておくとよいでしょう。

まとめ

人間が健康に生きていくためには、免疫力アップが欠かせません。

免疫力アップには、しっかりと休養を取ったり、ストレスを減らしたりすることも大切ですが、食生活からもアプローチできることがわかりました。

免疫力をアップさせるには、腸内環境を整えること、そして、体をしっかり温めることが大切です。

味噌汁なら、たった1杯のお椀で両方をクリアできます。

発酵食品である味噌は、そもそも免疫力をアップさせるのに十分な栄養素を含んでいる上、味噌汁なら、組み合わせる具材次第で、さらにその効果を高めることができます。

また、その具材も特別なものではありません。

身近にある、ごく定番の具材ばかりです。

単体で使用するもよし、具材を組み合わせるもよし、味噌汁の楽しみ方は無限大です。

毎日の食卓に、たった1杯の味噌汁を加えるだけで、免疫力を高めることができるのですから、取り入れないという手はありません。

味噌汁を飲んで、免疫力をアップさせ、病原菌やウイルスを寄せ付けない強い体を作りましょう。

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