健康に役立つ減塩の実践方法

健康に役立つ減塩の実践方法

監修者

森 美樹(管理栄養士)

茨城県で生まれ、子供のころから母の手前味噌で育ちました。管理栄養士としては、病院・ 特養で栄養管理に従事。40 代になり、麹の美しさに惚れ込み、お味噌の魅力を知りました。 食事制限のある方もない方も、食卓を華やかに心豊かになっていただけるよう、発酵食品を 取り入れた食習慣のすばらしさを提案していきたいです。

健康に役立つ減塩の実践方法

塩分は私たちの生活に深く関わる重要な要素ですが、過剰な摂取は健康に悪影響を及ぼすことがあります。この記事では、厚生労働省をはじめとする公的機関の指針に基づいた減塩の実践方法についてご紹介します。健康な生活を送るために、適切な塩分摂取の重要性を理解し、実際の食事や日常生活に取り入れる方法について考えてみましょう。

 

減塩とは

減塩とは、食品や料理に使用する塩分の摂取量を制限することを指します。塩分は食品の風味を引き立てるだけでなく、体液のバランスを保つ役割も果たしています。しかし、過剰な塩分摂取は体内のナトリウムと水分の量を調整するために血液量が増え、高血圧になり、心臓病、脳卒中などのリスクを引き起こす可能性があるため、適切な摂取量を守ることが重要です。

 

厚生労働省の指針に基づく減塩の重要性

 厚生労働省は、成人の1日の塩分摂取量の目安を男性7.5g未満、女性6.5g未満としています。この量を超えると、高血圧や心臓病のリスクが増加することが示されています。また、日本人の平均的な摂取量は目安を上回っているとされています。そのため、公的機関の指針に基づいた減塩の実践が健康の維持には欠かせません。

 

塩分摂取量の確認と管理

 まずは、ご自身の塩分摂取量を確認してみましょう。食品のラベルを見ることで、どれだけの塩分を摂取しているかを把握することができます。また、外食時にも塩分控えめの選択肢を選ぶことが大切です。さらに、家庭で料理をする際には塩分の代わりに柑橘系やお酢、ハーブやスパイスを活用することで、風味を楽しみながらも塩分摂取を抑えることができます。

 

塩分の代替調味料を活用する

塩分の代替調味料を上手に活用することも、減塩のポイントです。
例えば、だしを利かせたりハーブやスパイスを使用して料理に深い味わいを与えることができます。また、レモンやお酢を使って酸味を引き立てることも塩分の代わりになります。これらの調味料を工夫して組み合わせることで、塩分を適切に制限しながらも美味しい料理を楽しむことが可能です。

 

日常生活での減塩の実践

減塩は食事だけでなく、日常生活のさまざまな瞬間に取り入れることができます。例えば、食事の前にコップ一杯の水を摂ることで、過剰な食事摂取を防ぐ助けになります。

また、食事の計画を立てる際に塩分摂取量を意識してメニューを考えることも重要です。練り製品やベーコン・ハムなどの加工食品、漬物・佃煮はとても塩分の高い食材です。塩の代わりに減塩味噌を代用したり、野菜や海藻類、イモ類などカリウムの多い食材と組み合わせたり、食事バランスに偏りのないよう心掛けましょう。

調理の段階でも、煮物を作る際には最初からしょうゆなどの調味料を入れて煮るのではなく、だしだけで煮て材料に火を通したら、最後に塩味を加えて絡めるようにすると味を強く感じることができます。ナッツやゴマなどの油脂で香りづけするのも効果的です。

減塩と健康への影響

適切な減塩の実践は健康にさまざまな良い影響をもたらします。まず、高血圧や心臓病のリスクを軽減する効果があります。また、腎臓の健康を保つためにも減塩は重要です。さらに、塩分を控えることで体液のバランスが改善し、むくみの予防にもつながります。

 

妊娠中や子供の減塩への注意

特に妊娠中や成長期にある子供にとって、適切な塩分摂取は重要です。塩分過多の食事は赤ちゃんの発育に影響を及ぼすことがあります。妊娠中は特に栄養バランスに気を付け、塩分摂取量を抑えた食事を心がけましょう。また、子供の好みに合わせ、素材の旨味を活かした塩分控えめの料理を提供し続けることで、健康な食習慣を身につけさせることができます。

 

まとめ

健康な生活を送るためには、適切な塩分摂取を心がけることが大切です。厚生労働省の指針に基づいた減塩の実践方法を取り入れることで、高血圧や心臓病などのリスクを軽減し、健康的な体を維持しましょう。自分自身や家族の健康のために、日常の食事や生活に工夫を加えてみましょう。

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