減塩味噌汁の効果とは?減塩商品は意味がない?

減塩味噌汁の効果とは?減塩商品は意味がない?

監修者

森 美樹(管理栄養士)

茨城県で生まれ、子供のころから母の手前味噌で育ちました。管理栄養士としては、病院・ 特養で栄養管理に従事。40 代になり、麹の美しさに惚れ込み、お味噌の魅力を知りました。 食事制限のある方もない方も、食卓を華やかに心豊かになっていただけるよう、発酵食品を 取り入れた食習慣のすばらしさを提案していきたいです。

減塩味噌汁の効果とは?減塩商品は意味がない?

「減塩」商品の市場は2016年から急激に拡大しています。しかし一方で、「減塩商品は意味がない」という意見も聞かれます。今一度、無理のない健康活動の提案として「減塩調味料」の効果を正しく理解する必要があります。

今回は、減塩味噌に注目し「減塩商品は意味がない」という誤解を解き、その効果や意義について考えていきたいと思っています。

※ここでいう「減塩味噌」とは、OMISONOMORIおみその森で取り扱っている、昔ながらの製法で造られた減塩味噌を指します。味噌蔵でゆっくり発酵熟成して造られた減塩みそについて取り上げています。


塩分摂取過多について

 

まずはじめに、塩分摂取の問題について考えましょう。

塩分(ナトリウム)は私たちの身体にとって必要不可欠な栄養素です。
しかし、どんなに身体に必要な栄養素でも過剰な摂取は健康に悪影響を及ぼす可能性があります。日本人の平均的な塩分摂取量は、今もなお推奨量を超えており、高血圧や心血管疾患などのリスクを増加させていることが知られています。

厚生労働省の食事摂取基準
男性:7.5g未満  女性:6.5g未満

                                  

(分析期間:2020/4/1~2021/3/31)
※食MAPバーチャル栄養素:食MAPの各メニュー分類に対して各種栄養素の値を付与したデータベース
※外食相当分は、家庭内食データを元にウェイトバックし栄養摂取量を算出 ※0~2歳のメンバは対象外

しかし、減塩生活を試みたいと思っている方は非常に多く、年代別の調査より約7割前後の方々が意識していると分かりました。


 

出典:みんなの減塩調査2020(味の素株式会社)

その中でも、味の素株式会社が実施した「みんなの減塩調査2020」によると、塩分摂取量の基準を把握し、きちんと守れていると回答した人はわずか5.2%という結果だったそうです。


減塩のメリットとは何か

 

塩分摂取を抑えることで、血圧の上昇を抑制し、心血管の健康を保つことが期待されます。また、塩分摂取量の適正化によって体液バランスの調整や腎臓の負担軽減にもつながります。

「アンチエイジング」には、血管の健康維持が鍵!!!

口から摂取された食べ物の栄養分は、小腸の毛細血管から血液に移動し、血流に乗って体中に運ばれて私たちの身体が造られていきます。

不健康な血管は柔軟性が乏しく、血流が増えても変形することが出来ません。
そうなると、血管の壁にかかる圧力が血圧上昇を招くのです。

血管の健康維持のためには、まず、塩分摂取過多から卒業することです!

「味噌」=塩分が高い

このようなイメージを持っている方はどのくらいいらっしゃるでしょうか。

今回「減塩みそ」に注目していますが、昔ながらの一般的なお味噌が悪というわけではありません。私たちが「美味しい」と感じる塩分量は全体の約1%の塩分濃度だと言われています。お味噌は保存食であり、昔から継承され続けている日本人にとってのスーパーフードです。

減塩みそは、普段の食生活が「栄養過多」「塩分過多」になってしまいがちであったり、また、塩分制限が必要な方、塩分をどうにか抑えたい方に向けて、食卓を今より更に豊かに、そして華やかにするための1つの提案として取り上げています。


なぜ減塩みそ・減塩味噌汁がいま注目されているのか

減塩みそ・減塩味噌汁は、従来と比べて塩分を抑えた商品です。
味噌本来の旨味と香り、栄養成分は変えずに塩分摂取を抑えることができるのです。減塩味噌汁は、減塩を意識した食生活に取り組む方々にとって、健康的な食事の一環として重要な存在となっています。食事制限のある方もない方も、日々の食生活に発酵食品を取り入れることはとても素晴らしいことです。毎朝1杯のお味噌汁を習慣化させることで、腸内環境の改善・基礎体温の上昇が期待できます。
基礎体温を1度上げることで、基礎代謝量が約12%アップすると言われており、免疫力アップだけでなく、ダイエット効果も期待できます。


味噌の栄養価

味噌は、たんぱく質、ビタミン、ミネラル、食物繊維などの栄養素が豊富に含まれています。主原料となる大豆・要となる麹・必要不可欠な食塩が1つとなって発酵し熟成していく中で身体に吸収しやすい栄養素となり、熟成が進むにつれてお味噌の色が褐色していきます。褐色に関わっている反応を「メイラード反応」といいます。この反応によってメラノイジンという褐色物質が出来ますが、このメラノイジンには、優れた抗酸化作用があるとされ注目されています。


まとめ

 日々の塩分摂取量をコントロールしながら、抗老化が期待出来る「減塩みそ」を習慣化することは、健康維持において重要な役割を果たしていると言えます。

減塩みそ・減塩味噌汁は、塩分摂取を抑えながらも味噌の旨味・香り・コクを楽しみ、栄養素を補うことのできる素晴らしい食品です。健康を意識した食生活を送りたい方にとって、減塩味噌汁は有益な選択肢となり得ます。
ぜひ一度試してみて、その効果と美味しさを実感してみてください。
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